迷いの森
中畑賞

迷いの森Forest of wonder

Name:
中川照之
Nakagawa Teruyuki

迷いの森

中川照之

袋井市では「2060 年に人口8万人維持」を目標に掲げた「輝く“ふくろい”まち・ひと・しごと創生総合戦略」施策を策定した。この施策で重要なことは人口の転入増を目指すのではなく、「誰もが生涯暮らし続けられるまち」を目指し、1.教育、2.産業・就労、3.コミュニティ・健康の3つに力を入れていくということである。よって企画のコンセプトとしてはこれら3つの拠点となることを目指した。建物のコンセプトとしては「迷う」ことをテーマとしている。一階の本棚ゾーンは「森」のような領域を目指した。ここでは自分の居場所を見失いやすく「迷子」状態が生じやすくなっている。もし森の中で迷子になったら高台を目指すだろう。この計画でも、高台(2階閲覧室)を設置し、上から俯瞰できる場所を設置した。目的地を2階から確認したら自分からまた「迷いの森」に足を踏み入れていく。そんな「迷う」ことがポジティブになれる図書館を目指した。

教員講評

図書館の新しいあり方として、マルシェと一体で計画した提案である。5m間隔のグリッド状の架構の中に書棚や物販スペース、カフェなどが混ざり合うようにひしめきあっていて、
日常的に利用するカジュアルな図書館のあり方として魅力的だと思う。その混ざり合い方にも工夫がされていて、書棚をグリッドに対して45°振って配置することで本を探しながら空間をふらふらとさまよい歩くことになり、本だけでなく様々な出来事とのふいの出会いを楽しむことができる。「迷う」という、パブリックな施設としてはネガティブに捉えられがちなことを思い切ってポジティブに捉え、予定調和ではない創発的な空間を生み出したいという作者の意欲を評価した。(中畑)