まちの放課後
戸塚俊汰
この場所は、子供、大人、高齢者などあらゆる世代の人が集まり、趣味を通してそれぞれの放課後を堪能するまちの拠点である。1階は、音楽、演劇、食、工芸、運動など趣味を楽しむ“場”である。同じ趣味を持つ人が集まると、自然と会話が弾む。それぞれの“場”から出ると、違う趣味を持つ人たちとの交流が起こり、新たな発見やコミュニティが生まれる。2階は吹き抜けにより、1階の賑わいを感じながら本を読んだり、プレゼンやワークショップなどができたりする“場”が、本棚によって緩やかに区切られている。3階は、市民展示の場、読書・学習の場など、落ち着いた雰囲気の空間になっている。部屋はガラス張りで、廊下から中の活動を感じることができる。この場所は趣味を通した交流によるアクティブな活動と、読書、学習、展示など、従来の図書館のような落ち着いた活動の両方が体験できる場であり、あらゆる人がそれぞれの放課後を堪能するだろう。
教員講評
多用途の組合せをきれいにまとめた案である。だが機能というのはいくらでも変容していき,建築の寿命と深く関わってくる。戸塚案はその変容を受け入れる豊かさがある。それは大中小の容積を一つの建築にまとめ,周辺とつなげていく視点なのではないか。作り手の豊かさが空間に影響している案である。(長尾)