[3年]建築設計B1 第2課題

地域に根ざしたこれからの小学校

担当教員:脇坂圭一/田井幹夫/八木佐千子/佐々木司
担当SA:鈴木結梨/鈴木葉大/鬼頭拓巳/疋田大智

課題内容

各自が過ごした小学校を、縮退する現代社会に相応しい学校として建て替える。人口減少社会において、学校が果たす役割は多様化しているが、教育施設としての機能が根幹にある事に変わりは無い。生きる知識を身につけ、友人や教師とのソーシャルな関わりを通して、人間的な成長を目指す場である。身体的に大きな差のある1年生と6年生だが、共に過ごす空間とはどうあるべきだろうか。近年では単体の小学校としてでは無く、小中一貫校や図書館、保育所、文化施設などとの複合施設として建設される事例が多くなってきた。単体機能としての教育施設から、複合機能としての地域のための教育施設への展開である。これまで優先されてきた児童のための学習機能に加えて、地域の人々を受け入れるコミュニティ施設としての機能が融合されたとき、学校はどうあるべきだろうか。一方で、近年頻発する災害時に、学校が避難場所として利用されるシーンが多く見られる。これも、静岡県の置かれた状況を考えたとき見過ごすことのできない機能である。さて、「建築計画1」では、特別教室型/教科教室型といった運営方式、オープンスペースの系譜、国内外の主要事例について学修してきた。また、「建築計画2」では、地域交流施設について学修していく。実際の設計を行う本課題では、各自が卒業した具体的な敷地において、地域毎に異なる環境や社会を把握した上で、地域の将来に相応しい、長く愛される「これからの小学校」を提案してほしい。

敷地条件

敷地面積、用途地域、建坪率、容積率は各自が卒業した小学校に応じて設定する。

設計条件

階数、構造は自由。
「 所要室」を目安として、小学校としての機能を満たす諸室を計画する。面積で指定のないものは適宜、設定する。
地域開放ゾーン(室)を設定し、休日・夜間の利用も可能にするためにセキュリティを考慮する。
普通教室が18を超える場合は、1学年3クラス、計18CLとする(浜松市には25CL以上の大規模校が10数校、存在するが、狭隘化を含めた課題を解決するために、教育委員会は各学年2~4CLとする基本方針を策定している)。

所要室

[1]校舎等
必ずしも部屋として区切らなくとも良い。各室の面積は以下を目安とする。

  1. 普通教室:80m2/CL
  2. 特別教室:理科室(含準備室)160m2/CL/図工室(含準備室)160m2/CL/音楽室(含準備室・器具庫室、第1と第2で分割可)240m2/CL/コンピュータ室/図書室
  3. その他諸室:オープンスペース/ワークスペース(普通教室との関係を考慮)/多目的ホール/ランチルーム/給食室(含配膳室)/校務センター(職員室、校長室、会議室)/保健室/放送室/トイレ(児童用、職員・来客用)/手洗い/昇降口(児童用、職員・来客用)等

[2]屋内運動場

  1. アリーナ(体育館):ミニバスケットボールコートが2面取れる広さ
  2. 放送室(含機材庫):20m2
  3. 器具庫:50m2
  4. その他諸室:ステージ、トイレ等

[3]プール
屋内・屋外は自由。

  1. 水槽:25m×13m(6コース)
  2. 器具庫:30m2×2
  3. ろ過機械室:40m2
  4. その他諸室:シャワー、トイレ等

[4]その他

  1. 放課後子供教室:2教室分程度(多目的室を兼用しても良い)
  2. 地域のコミュニティのために必要となる機能に対応した室