ごろごろ
波田野日葉里
私にとってずっといたくなる空間はごろごろできる空間だ。そのためには何もない広い空間が必要で、建築物周辺の環境から離れることでより一人を満喫することができる。そこで、地下に空間を作ろうと考えた。地下に空間を作ることで内部に光がうっすらと届き落ち着いた空間が形成できる。また、地上面に存在する部分は入り口からだんだん狭め、内部空間も天井が狭まっていくにつれてレベルが深くすることでより、深さを感じることができプライベート空間を感じることが出来る。この建築物は、地下につながる洞窟をイメージしているため、天井ガラスには地下から出てきた宝石のように様々な形状、色合いのものを配置した。色ガラスを用いることで内部空間に鮮やかな光が広がり、また地上階の壁面が湾曲しているため光の広がり方が場所によってことなり、時間によっても光の当たり具合が変わることでずっといても景色が変化するため飽きない空間にもなっている。
教員講評
5.4mキューブを条件として「ずっと居たくなる空間」を設計するという建築学科入学後、最初の自由設計課題である。地階まで活用しながら1階から地階への展開を図った立体的な計画で、○・□・△の穴が穿たれた屋根/天井からカラフルな光のシャワーが降り注ぎ、それが時間と共に移ろう。1階の湾曲した平面は、視線の先が遮蔽され、奥へと誘うアフォーダンス的空間となり、動線は地階へ向かう。地階が単に四角い平面になっており、1階同様に湾曲させるか、1階と異なる曲率の平面形が重ねる、といった展開もありそうだ。(脇坂)