天竜のフ・ドーサン
原田留主
これは、天竜区の魅力を知ってもらうことから始める計画である。天竜区は浜松市の過半数の面積を占める南北に長い地域であり、浜松市街地との距離の差が大きい。そのため、南側の二俣町が今注目されているなかでも、最北端の、水窪地域までは、観光客は入り込めないでいる。 そこで、天竜区のドーサン(動かせる財産)を二俣町を拠点として循環させることで、魅力を余すことなく伝えるとともに、地域の人たちのコミュニティの場となるような空間を作る計画とした。そのために、モビリティの高い軽トラを主役に、大きな循環の一部のような建築を目指した。景色が良いこの街で風通しの良い空間になっている。また、雨の多いこの地域では、雨の日にゆっくり長居出来る空間が少ない。そのため、この街の大きな傘となるような屋根をかけ、天竜二俣駅のホームで使われている架工のスケールを大きくすることで、連続性と共に包容力も増している。
教員講評
これが一つの教会だという意味で作っていった方が良かったのではないかと思った。それでこういったトラックを使いながらその町に対して我を残すというかご飯などを提供するような一種の宗教的なコミュニティを今の現代に作っていくという考え方もあるのでは。(佐々木)
点々としている不動産をここの人たちが持っている不動産によってつなげるということは非常に面白いが、どこでも同じことができてしまう。この場所でするとなった時に建築がどう変わるのかを言えると非常に刺激になる感じがした。(長谷川)