日常の波紋-まちを辿る親水空間-
田中葵
現在、都市部をはじめ、地方都市においても自然離れなるものが起こっているように感じる。周辺のまちでは市街地への人の流れや少子高齢化に伴い、コミュニティの衰退や、過疎化が進んでいる。また、駐車場や空き地が周辺に点在していることから、それらを利用したまちの人々のための拠点をつくることで、「まちやど」のような循環を活かした空間をつくることを目的とし、まちの活性化に繋がると考えている。静岡県浜松市の佐鳴湖という自然に恵まれた環境やボート競技が盛んな土地がある。水辺ありきの空間体験ができ、水や身体に関する多面的な活動を繋ぐまちの拠点をつくることで、自然豊かな佐鳴湖という場所を通して暮らしが滲む公園へと再編する。 一周6キロほどの湖に通る道を軸に場を点在させることで、まち全体を巻き込み、本提案を通して、湖と町が一体になってできる、まちづくりとライフスタイルの可能性を考える。
教員講評
佐鳴湖の周辺で集めた、市民スケッチがバリエーション豊富なここの湖の周りをうまく使えている人の振る舞いを見つけている。それが田中さんの設計の中で生かされていて僕は良いと思った。(後藤)
規模に対してあまりにも大きくなってしまうから小割にしていこうと路地的な要素を作っている。浮桟橋が入っていくのに作り込みやすく、ピアみたいな状態であるその桟橋によって、1つの風景を作りたいという意識が伝わってくる。(佐々木)