変わりゆく
森下空々
県道と東海道が交差する角地で、近隣住民とのつながりがさらに増えるような提案をした。ガラス張りの住宅は閉塞感をなくし、開放的な空間となっている。住宅の南側に面する袋井宿場公園が平面的であるのに着目し、遊具のような立体的な構成とした。大階段で人々を誘い込み、子供同士の遊び場、大人同士の交流の場となることを期待する。
場所に応じて外部の天井高が変化し、空間の感じ方が変わる。それぞれに心地の良い場所を見つけ、ちょっとした居場所となる。スラブに抜けがあることで日影になるだろう場所から光が入り込み、これによってまた新たに不思議な空間を体験することができるだろう。
人々が集まることで変化する生活と、場所によって変化する空間、この住宅で新たな変化を発見があることを期待する。
教員講評
伸びやかな軒下空間が立体的に展開し、屋根の重なり方の変化で様々な質の空間が生まれている。一見して住宅としてはオープンすぎるかのように見えるが、奥行きの深い庇、バルコニーが周囲の視線を適度にコントロールしている。開く家というテーマに対し、独自の空間で応えている点を高く評価した。(後藤)