和みの礼拝堂
佐藤賞

和みの礼拝堂Calm of chapel

Name:
守屋咲穂
Saho Moriya

和みの礼拝堂

守屋咲穂

白を基調とした清廉な礼拝空間を作りました。室内に靴を脱いで上がる、掘りごたつに足を投げ出して座る、床の間に花を飾るなどの日本特有の建築文化は、心が落ち着くため、それらを取り付いた礼拝空間にしました。日本の要素を取り入れていますが、宗派は限定せず、訪れた人はそれぞれが信仰している様々な神に対して祈ることができます。外壁や中央の純白の空間は、礼拝堂として無宗教であるまっさらな状態を表現しています。中央の掘りごたつでは、頭上の天窓から降り注ぐ光の下で祈りを捧げることができ、二つの床の間スペースは、飾られた花で訪れた人の心を和ませることも、個室スペースとして使うこともできます。また、中央の礼拝スペースが純白の空間なのに対し、床の間スペースは赤や青などの純色の内装を用い、対照的な空間の色をデザインしました。過ごす空間の色彩によって、もたらされる感情の変化を味わうことができます。

教員講評

「和みの礼拝堂」と名付けられた森の中の小建築である。5.4m角のキューブの対角線上の角に配置された2つの塔は、内部では「床の間」であるという。角柱の内部は赤と青に塗られ、上部の開口と側面のスリットから光が降り注ぐ。ル・コルビュジェのロンシャンの教会堂を想起させるような構成である。しかも「床(とこ)」は空中に浮遊している。「礼拝堂」という命名から西洋的なものから構想した建築であると思ったが、中央の空間は「掘りごたつ」であるという。和の要素の、とてもモダンな形での翻案である。(佐藤)