[3年]建築設計B1 第2課題

袋井芸術村

担当教員:佐藤/田井/八木/長谷川

課題内容

3年生前期の建築設計B1第2課題では、小規模なホールを設計する。敷地は静岡理工科大学近隣の茶畑や駐車場として利用されている丘陵地を、計4ヵ所選定し、学生はいずれかの敷地を選択し、そこに300席のホールや宿泊施設を含めたアート・センターを設計する。敷地として設定される土地の面積はそれぞれ1~2haほどである。そこに、建築物としてホール部門2,500m2、宿泊部門1,500m2、延床面積計4,000m2程度の施設を計画する。

課題の狙いは、大きく2点ある。ひとつは、多くの人が集まる空間として、ホール自体をどのように構想するかという観点である。音楽イベントを主体に考えたホールとするか、演劇を主体としたホールとするかなど、ホール自体の使い方の想定、すなわちソフト的なプログラムも学生は提案する必要がある。そこでは、観る/観られる、観客/演者の関係も再構築されなければならないし、それが建築空間に変容をもたらすであろう。

もうひとつの狙いは、宿泊施設その他も含めた混成系が、緑あふれる丘陵地の一角に、どのように構成され得るのか、すなわち群としての全体構成が問われてくる。そこでは、建物内部のプランだけでなく、外部空間のデザイン、ランドスケープ・デザインが重要な要素になってくる。学生には、この両面に答えながら全体をまとめあげる力量が求められる。

このような芸術村が理工科大学近郊に計画されることにより、丘陵地の上には西端の愛野公園に始まり、袋井高校、袋井南中学校、理工科大学を経て、エコパないし法多山へ連なる文教施設のネットワークが形成されるだろう。低地に広がる住宅地にたいして、丘陵地に計画される公共建築の新しいあり方を提案して欲しい。(佐藤健司)

袋井市 / 静岡理工科大学近辺の丘陵地