もんぜんまち +α
えんがわ賞

もんぜんまち +αmonzenmachi+α

Name:
伊藤暉
Hikari Ito

もんぜんまち +α

伊藤暉

法多山尊永寺の門前町を新しく、「商う空間」と「溜まる空間」に計画する。この町は現在、観光会社との連携が廃止した1980~1990年代を境とした観光客数の減少傾向によって、町の賑わいの空洞化が発生している。観光産業に依存した弊害が現れたと言える。そこでこれから先、門前町が継続的かつ非空洞状態にあるためには、「商う空間」と「溜まる空間」への新たな付加価値が必要ではないだろうか。現在の道路境界に迫ったリースラインと動線としてのみ機能するストリートに着目し、店舗空間と道路空間がシームレスにつながり人と物の滞留が生まれる空間を提案する。

教員講評

法多山門前町の活性化計画である。宿泊施設や商業施設、多目的ホールを分棟化し、傾斜地に散在させた配置計画である。すべての棟が勾配屋根を持っていて、それらの屋根がランダムに浮遊するシルエットが「村」としてのコミュニティの情景を醸し出すことに成功している。しかし、個々の建物の配置のロジックが、いまひとつ明確でないため、全体として計画の力強さを感じとることができないことが残念である。中央を流れる小川の再生についても、より積極的な提案が欲しかった。(佐藤)