集まる、導く
田井賞

集まる、導くGather and guide

Name:
戸塚俊汰
Shunta Totsuka

集まる、導く

戸塚俊汰

敷地は愛野駅南口の線路沿いにある。近くには学校があり、この敷地は学生の登下校の動線に入っている。ここにアートコンプレックスを提案する。とはいえ、学生がアートを鑑賞する目的でここを訪れるのはハードルが高いと考えた。そのため、カフェ、ライブラリーを大きく設け、学生が気軽に立ち寄りたいと思える空間を創った。アート空間へは、ライブラリーの書棚の配置を工夫し、緩やかに誘導する。また、アートを鑑賞する目的で訪れた人は、カフェ、ライブラリーを介さなくてもアート空間を周れるため、集中してアートを堪能できる。この場所は、空間を介して芸術に触れ、学び、交流できる場所である。訪れた人々の憩いの場になり、今まで芸術に興味がなかった人たちが芸術に触れる機会を創出する。

教員講評

少し広すぎる敷地で、余白が生まれがちな条件において、隅々まで計画をしようとしているところに好感が持てる。愛野駅前の状態に対し、敷地内に余白を設けるのではなく、全体を自身のテーマの世界観で計画し切る姿勢は、地方都市の中途半端な駅前開発に対する批評を示している。いくつかの中庭を擁した平面計画は建物内を歩き回ることを楽しいものとし、コーナーをRとしたことで、スムーズな連続性を獲得している。内部空間に終始し、外部を取り込めていないのは残念である。(田井)