居場所をみつける
伊藤響
形の崩れた八角形を中心に、各八面にそれぞれの空間が存在する。2階のメインとなる段状の空間は、アリーナ席のようにすることで、その場所で何が行われているか、誰がいるのかを見ることができる。例えば、他学科の人たちがプレゼン等をしていたなら、他学科を知るきっかけになるかもしれない。地域の人が来ていたなら、一緒に食事をして地域×大学の交流が生まれるかもしれない。いろいろなシーンが見れる場所である。建物を覆う大きな1枚屋根の軒下にも空間が存在する。広々とした屋外のテラス席は、周囲の緑と調和されるような気持の良い場となっている。2階へ上がる階段は、幅や勾配をそれぞれ変えて、同じ階段でも変化をつけた。この様々な空間を持つ場所で、自分の居場所をみつけてほしい。
教員講評
ボリュームの配置とレベル差によるアクティビティを生じさせる魅力的な案である。固定と流動という概念が私たちの生き生きとした活動を生み出していくことに改めて気付かされる。惜しむらくは「屋根」のデザインである。かなり強引であるが,この大胆さも魅力の一つとなっている。(長尾)