巡りながら決める
塩澤侑杜
計画地は大学の大きな軸からは少し外れた場所である。しかしそこには木々が生い茂り緑豊かな広場がある。本計画ではそんな居心地のいい広場に建物を建てるのではなく、刻まれた板の断片が空から舞い降り、彫刻を形成することで居場所を作るというような意図のもと設計した。建築の要素をエレメントに解体し再構築することで空間を作るだけでなく、外部に広がりを持たせ、まだ見ぬ少し先の未来を経験させるプログラムの提案である。
教員講評
3枚の版を主題にした作品である。屋根であり床であり壁である「斜めの版」に囲まれて生じた空間が、3つの学生食堂、1つのプレゼンテーションルームとなっている。広場だからこそ可能な彫刻的造形は、広場と一体化した新しい居場所を提案し「学生広場」を作り出している。プレゼンも表現力が高く提案性の高い作品である。(長尾)