[3年]建築設計B2 第1課題

城下町の再生

担当教員:佐藤健司/田井幹夫/長谷川寛[非常勤講師]
担当SA:池宮康清[B4]/佐野真子[B4]/高村菜々[B4]

課題内容

江戸時代の掛川は東海道五十三次の宿場町であり、また掛川城を中心とした城下町であった。「天保年間遠江掛川宿之図」によると、逆川の北側、お城を中心に東西に武家屋敷が広がり、商人地(町屋)は逆川の南側に展開していたことがわかる。商人地の中央を東西に貫通するのが東海道で、現在はアーケードが設置された中町・連雀商店街となっている。
その商人地は現在の掛川市の中心市街地であり、本来、商業活動の中心地として活気あふれるエリアでなければならない。しかし、自動車中心の生活により、空き店舗・空き地の目立つ状態となってしまっている。今回の課題は、このような空き地を再生して、中心市街地の活性化を試みるものである。

敷地条件

JR掛川駅、掛川城、逆川流域を含むエリア、東西2.1km、南北1.485kmの範囲に赤く塗った土地が、計画敷地に設定した区画で、計9カ所ある。それらはいずれも、中心市街地で空き地(駐車場)となっている区画である。ピンク色に塗った道路が旧東海道の位置を示す。

建設プログラム(例)

これらの区画にどのような建設プログラムを策定するか、各自検討して提案する。以下は、プログラム策定のための1例である。

  1. すべての空き地、計5,114m2の半分、約2,500m2は小広場・小公園などの外部空間として活用する。それらの小広場・小公園などの具体的なデザインを提案する。
  2. 中央の旧東海道(中町・連雀商店街)は、車の通行を完全に排除することは行わない。歩行者と車が共存可能なデザインとする。駐車場は旧東海道に面しては設置しない。
  3. 建築物を計画する敷地は、合計2,500m2程度とする。建蔽率70%、2~3階建て程度のボリュームを想定すると延床面積の合計は4,000m2程度となる。
  4. もともと宿場町でもあったことから、「現代の旅籠」を蘇らせたい。滞在型の宿泊施設で、1ユニット60m2程度のものを計10ユニット程度設ける。グロス床面積は1,000㎡程度を想定する。
  5. 小規模な商業施設、例えばコンビニや雑貨店、コワーキング・スペースなど計1000m2程度
  6. レストラン、カフェなど計1000m2程度
  7. 歴史資料館など公共施設、計1000m2程度
  8. 上記4~7の施設は、敷地の大きさや形状に応じて、小規模なものに分散していてもよい。また、複合化していてもよい。例えば店舗付き宿泊施設、店舗付き公共施設、など。