[2年]建築設計A2 第2課題

集まって暮らす、働く@掛川中心市街地

担当教員:田井/長尾/渡辺/佐々木

課題内容

カリキュラム更新に伴い、従来3年次前期に課されていた「集合住宅」の設計課題が、2年次最後の課題として前倒しされた。

敷地は掛川の中心市街地のなかに設定された。掛川は城下町であり、相良で採れた塩を信州へ運ぶ「塩の道」と東海道との交差点として栄えた町である。しかし、新幹線や東名高速・新東名に代表される広域交通網の発達は、掛川を交差点から通過点へと変えてしまった。当時の面影は、塩町、肴町といった町名に偲ぶことができるが、現在では商業活動の拠点は郊外のショッピング・センターに移動し、城下の中心市街地は空洞化が進んでいる。

このような状況の中で、今回の課題は、中心市街地に散在する空き地に着目し、十数戸からなる集合住宅を計画するとともに、街を活性化するための起爆剤となるにはどうしたらよいかを問うものである。

日本中の各地で、コンパクトシティが標榜され、立地適正化計画が策定され、郊外に流れた人口を中心市街地に呼び戻そうとする動きが進められている。しかし、単に住宅を建てれば人が戻ってくるわけではない。英語で、あなたはどこに住んでいますかと聞くとき、Where do you live?と言う。これは、どこに住んでいるかと訳されるが、正しくは、どこで生きているか、と問うている。つまり、住む=生きる、である。中心市街地で生きることができるためには何が必要か、それが問われてくる。集合住宅の設計とは、まさしくまちづくりであり都市計画である。学生には、この認識をもって課題に取り組んで欲しい。(佐藤健司)

掛川 / 中心市街地