風景を映す集合住宅
八木賞

風景を映す集合住宅Reflect the landscape

Name:
坂本稜太
Ryota Sakamoto

風景を映す集合住宅

坂本稜太

この計画地は閉鎖的な空間となっている。周囲を比較的高さのある建物に囲まれている影響で、影が多く寂しげな印象を与える。そんな敷地に様々な風景を与えることで賑やかさを創出した。生活の風景や、仕事の風景を映すことで、人の動きを感じ、この敷地の持つ閉鎖間をやわらげるのではないかと考える。
住戸については、クロスメゾネット形式となっている。階段を含む吹き抜けを境に住戸の陽と陰を分けている。全ての住戸が敷地の内側にベランダをもつ。どの住戸も自然光を最大限に取り入れることができるようになると同時に、敷地内側に生活の向きを集めることで、閉鎖的な敷地ににぎわいを与える。また、陽と陰が完全に分離するため、プライバシーを十分に確保することができる。陰で私生活を確立し、陽で風景を敷地に映す二面性のある集合住宅を計画した。

教員講評

アーケードに面して現在歯抜けになってしまっているこの敷地に連続性を補完するピロティ建築を挿入。中央の既存建物をイベントスペースのボイドとし、隣接するカフェやお茶ショップに通り庭を計画。集合住宅は密集する周囲に対して陰と陽の環境をつくるためにクロスメゾネットとするなど場面展開が非常によく提案されている。歩いて散策したくなるエリアを作り出すことに成功しているが、外観デザインは窓のプロポーションなど洗練さに欠けるのが惜しい。(八木)