間と暮らす
佐藤賞

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平間聖規
Toshiki Hirama

間と暮らす

平間聖規

今回藤枝駅北口からすぐの敷地にて設計を行うにあたり、従来の密集して住む集合住宅のあり方に違和感を覚えたところからはじまった。壁一枚を隔ててパブリックな廊下があることで、プライベート性を高めるために、窓のない壁が強烈なバリアのような役割をし、住人同士や一般の人との交流の機会を大きく減らしていると考えた。つまり、間があることが大切なのだと考えた。その結果、多くの空気を含む建築にしようと考えた。戸建と違い玄関の扉のすぐ奥がパブリック領域という状態が自室に引きこもってしまう状況を作り出しているように感じる。そこで戸建の住戸に習って玄関の先にも自分の領域を作り出すことで中間のコモン領域にまで活動が広がり、住人同士、一般の人との交流うの気合が増えることになるだろう。そのコモン領域では自分の職場として利用したり、趣味の部屋にするといったように住人が自由に使い生活の質の向上に繋がると想定する。

教員講評

藤枝駅北側の1街区の再開発計画である。21層の立体格子のなかに住戸、商業施設、駐車場がはめ込まれる。住宅部分は立体格子の外周部に住戸が配置され、中庭形式の住棟配置とみなすことができる。立面では住戸が大きくS字型を描くように配置されており、したがって空中部分に使われていないフレームが多く存在する。そのような隙間は住戸に採光や通風をもたらすというだけでは正当化しにくい。しかし、将来の増築を可能にする都市基盤、すなわち3次元的な土地、を設計したものとして理解することもできるだろう。(佐藤)