間をつくる、間と住まう
松原成美
既存の倉庫を囲むように、分棟配置された住戸が立ち並ぶ。倉庫は改装し、1階をワークショップスペース、2階をゲストハウスとした。
ワークショップスペースでは、ここの住人をはじめ、地域の人々が誰でも利用できるスペースとした。ゲストハウスには、観光客や学生など地域内外からの利用を見込む。住戸は、スキップフロアで室をつなぎ、中心の階段スペースは光と風を取り込むコアとした。また、住戸間にはパブリック空間をつくり、そこでは人々が思い思いに時を過ごす。趣味の家庭菜園を楽しむ人、広場を駆け回る子どもたち、休日にはBBQを楽しむ家族。いろいろな人々が集まる彩り豊かなコミュニティを、この浅間通りにつくり出す。
教員講評
既存倉庫を残す/活用するという条件がある、最も難易度の高い敷地を選択したようにも思えるが、ワークショップスペースに改修された倉庫の周りに10ヶの住棟を配置し、木密地域に入り込んだかのような身体的で親密なスケールが発生する。住戸間に市松状に土間/外部空間を挿入し、コミュニティを醸成するパブリック空間としている。住棟の2層/3層を跨ぐ縦長の開口、向かい合う開口を通した視線の抜け、スレンダーな方立/柱、トップライトが軽快な印象をつくるが、ゲストハウスならありだが、集住として成立するかは疑問。(脇坂)