いきわたる輪
塩澤侑杜
計画地南側には袋井宿場公園がある。周りを土間で囲んだ各寝室からリビング、テラスと公園側に向けて開けた空間に変化していく。公園との繋がりを持たせることで公園も居住者である家族の生活の一部だと言えるだろう。公園で出会った町の人を家に招き家族の趣味である菜園で育てた野菜をふるまうことで人の輪が広がる。本計画は公園や広場、風景に溶け込み家族の趣味を通じて町の人たちと開く新たな暮らし方を試みた提案である。
教員講評
立体的なデッキ(菜園)を住空間に挿入することで、街や公園と連続した新しい開放性を提示している。折り畳まれた屋上庭園の空間的な魅力もさることながら、開放性の獲得と同時に周囲の道路や公園からの視線を立体的に調整できており、開くことと閉じることを同時に成立させているという点において、高く評価した。(後藤)