ロバート・ヴェンチューリ/⺟の家
戸塚俊汰
母の家は、閑静な広い住宅地の中に建つ、単純な形の住宅で
ある。しかし、あらゆるところで、独特な造形が見られる。
外観を見ると、切妻屋根の中央に切り込みが入っている。
室内では、階段に暖炉が食い込んでいる。このような特殊な
形の1つ1つには、ヴェンチューリの思いが込められている。
そして、その思いが複雑に展開することで、人の心に強く訴
えかけてくる建築になっている。
教員講評
ロバート・ベンチューリの「母の家」である。暖炉のある中央のリビングを基点にして両側と上部の屋根裏に諸室が配置されたシンプルな構成である。しかし、斜めに挿入された壁や暖炉の裏の階段などのデザイン要素によって変化にとんだ豊かな内部空間が実現されている。この課題に取り組むことによって、「複合と対立」を実感することができたであろう(佐藤)。