プルーヴェ邸/ジャン・プルーヴェ
伊藤響
フランスのナンシー郊外に建てられたジャン・プルーヴェの自邸。
一見、シンプルな住宅という印象を受けるが、所々にプルーヴェのこだわりが見える住宅だ。
中でも非常に独特なのは、緩やかにS字を描く屋根だ。家の主部分では、浅い半円筒のヴォールトを形作る一方、その先の庇部分では逆にそり上がっている。
独創的・実用的でありながら、自分の家族のための個人的で、居心地の良い空間を生み出しているようにも思う。
教員講評
ディテールや工業化を強調した設計趣旨、一本一本の線を大切にした図面表現、物の存在感を示した模型表現。どれも、プルーヴェの設計思想を感じさせる内容であり、全てが丁寧に仕上げられていた総合力を評価した。(金子)