前⽥圭介／アトリエ・ビスクドール

原田尚弥

アトリエビスクドールは大阪府箕面市にある住宅兼アトリエである。この建物は帯のような腰壁を積層させているような構造になっている。この腰壁を直交するように二重三重と重ねることで建物全体のバランスを保っている。また、帯のような腰壁を重ねることで、腰壁が浮いている部分を作り出し、建物の外部と内部の境界を曖昧にしている。また、浮いている腰壁の内部に庭を作ることで、建物と自然の一体感を作り出している。

教員講評

宙に浮かせた壁の輪がずれながら重なることで生まれるグラデーショナルな領域の連なりがこの作品の面白さだ。複数のinside/outsideが同時存在するコンセプトを表したダイアグラム、内外境界の曖昧さを示す外観パース・内観パースで、この作品の特徴をよく表現している。模型の精度、パースの着彩方法については、さらなる技能向上に期待したい（脇坂）。