聴こえるのは・・・
伊藤響
風の音、雨の音、鳥の鳴き声のような自然の音。人の声、車の音、足音のような人間の行為によって生まれる音。あなたにはどんな音が聴こえるだろうか。
この空間は、都会に存在する。そんな都会の喧騒の中で「聴覚」を研ぎ澄ませてほしい。空間に足を踏み入れた時、どのような音の変化や違いを感じるのだろう。
日本人は、変化を知覚する繊細な感覚を持ち合わせている。それを活かしながら「聴くこと」に集中してみてもらいたい。
教員講評
風の音、雨の音、人間や動物から発せられる音、、、われわれが日常で意識せずに耳にしている音に着目し、そうした音を感じるための空間。1階をRC壁で囲み、窓は無く、断面では上部から筒状のボリュームを貫入させる。図面の表現、模型の精度もさることながら、ダイアグラムにある、バケツを被った時の独特の音の響き方からストーリーを展開するといった発想力も評価したい(脇坂)。