幹
田中葵
磐田市の農業・旧見付学校をもとに、「学んだことを体験出来る、食と人を繋ぐ拠点」となる場所を目指した。外部に5種類の広場を計画し、敷地境界線の角度と平行に各外壁を配置することで敷地全体を使いながら内外の一体感・連続性を生む。木の幹から枝分かれしていくように平面を伸ばし、階ごとにずらして重ね、田畑の水や銭湯、調理場など水廻りの要素と共に自然や空間を巻き込みながら人々の活動と学びを繋げた。
教員講評
「街の中のみんなの大きな家」「農業や食を中心に街の台所となる場所」、これらのキーワードで文化会館跡地を再活性化しようとする試み。農業や食を出発点に、それを学び実践する場を「文化会館」に代わるコミュニティの中心施設として位置付けようとする思考は、とても現代的である。細長い直方体のブロックを連結して、S字のカーブを描くように配置した全体構成も巧みであるし、その結果、広場も含めて建物内外の空間が流動的でダイナミックに連結されている。(佐藤)