まちを彫刻する
太田空
街の動線がこの場所で、美術館という存在がより多様な動線を生み街を豊かにする。 従来の公園の敷地の高低差をそのまま利用したこの美術館はスラブと四角い箱で構成される。箱が縦にスラブを貫通したり、逆に箱をスラブが貫通したり、スラブを削り自由曲線による自然の柔らかな雰囲気。その構成は彫刻という行為に共通するものがあるのではないか。 美術館の存在が今までの動線を絡め取って、豊かな街を彫刻する。
教員講評
有機的な平面計画を瀟洒な立体空間にまとめた作品である。特に印象的なのが広場から2階に続く象の鼻のようなスロープである。だが、登った先のボリューム、有機的な屋根など、手法の違う形態操作が重なりやや過剰な印象を与えているのが惜しい。外壁、内壁、軒裏等に素材や色彩を施すと印象が変化するので試して欲しい。