脇坂賞

Name:
伊藤響
Hibiki Ito

伊藤響

この前川邸のトレースでは線の強弱を意識しました。
どこを強く濃くして、どこを弱く細くするのか。ただトレースするのではなく、そのようなことを考えながらトレースしました。
特に、前川邸の特徴である丸柱は、石畳に埋もれないように濃く、はっきりとさせました。
また、平面詳細図や断面詳細図などの詳細図では、線が潰れたり重なったりしないように注意しました。
線の使い分けだけでも図面が大きく変わることが分かりました。

教員講評

・製図が初めての人とそうでない人と差があるため、評価は難しいが、成果物として見た場合、線の正確さ、線の太さによる空間表現を評価した。特に空間表現については、伊藤響さんのように力強い太線や、鈴木日菜さんのようにかすれるような細線が描けると表現力に幅が出る。また、加藤竜舞くんのように線の強弱を考えながら描くことで、2次元の図面が3次元的に見えてくるので、その表現力は全員磨いてほしい(金子)。 ・前川事務所所蔵の複数の原図の写しを入手して、アウラも感じながら取り組んだトレース課題である。日本近代建築の巨匠が戦時下の資材統制に抗い、木造+切妻屋根でありながらモダニズム建築として成立させた住宅であるが、単にトレースにとどめずに、建築作品の意味・意義を表現しようとしているかどうか、という視点で評価した(脇坂)。