2024.01.16

20240115 読書ゼミ 内藤廣 編「クロノデザイン」

今回の主担当は3年生の大石君で選定した書籍は「クロノデザイン」です。

著者は、内藤廣 編 浅見泰司・赤松佳珠子・山本佳世子・和田 章・伊藤香織・小野 悠・嘉門雅史・ 神吉紀世子・城所哲夫・木下 勇・斎尾直子・坂井 文・田井 明・竹内 徹・林 良嗣・福井秀夫・船水尚行・南 一誠・保井美樹と識者が名を連ねたオムニバス的な書籍だったため、正直なところ、私はこの選定本には否定的でしたが、大石君のたっての希望で選定した経緯があります。

タイトルには、「空間価値から時間価値へ」という副題がついています。

社会的にエライ人が集まった委員会で、資本の論理で生成されたツルピカ系の超高層ビルを批判し(つくってきた張本人であるにもかかわらず)、これからはクロノデザインだ!と主張する。。。この議論が為政者の耳に届き、エライ人の集まりによる委員会で取りまとめられた「クロノデザイン」が今後の美しい国づくりの指標になるかどうか、見守りたい。

中身的には、英国のCABE、イングリッシュヘリテージといった組織や施策、中国・湖南省の「文和友」、新発田市庁舎における使われ方、トヨタのCASEモデル、国立マンションにおける私法紛争、京都における番組小学校、スペインの300.000km/sによるビッグデータの可視化、といった事例は興味深いものでした。

今後、建築・都市・土木・情報分野が架橋され、パラダイムシフトが必要なのは、本書によらずとも指摘されていることではあるが、本書の成果が施策としてどのように実装されていくか、期待したい。