2026.06.29

富士市新環境クリーンセンター 施設見学・ヒアリング

こんにちは、脇坂研究室修士2年伊藤勢来です。

2026年6月19日(木)、修士研究のフィールドワークとして、富士市新環境クリーンセンター(工場棟・循環啓発棟)を訪問し、富士市環境部環境廃棄物課の皆さまにヒアリングを実施しました。

富士市新環境クリーンセンターとは

富士市新環境クリーンセンターは、令和2年(2020年)に稼働を開始した施設です。処理能力は250t/日(2炉構成)、DB+O方式(設計・建設・20年間維持管理を一括委託)で整備されており、川崎重工業+地元企業JVが担当しています。工場棟に加え、循環啓発棟・森林環境創造ゾーン・遊具公園が一体的に整備されており、施設全体で「地域に貢献する拠点」としての顔を持っています。

ヒアリングで分かったこと

施設担当の皆さまから、施設整備の経緯や地域開放空間に関する詳細なお話を伺いました。

印象的だったのは、住民合意形成の長さです。平成15年の候補地暫定決定から令和2年の竣工まで、実に約12年以上にわたって住民説明会が何百回も実施されたとのことでした。候補地決定後も反対集会が起きるなど、合意形成は容易ではなかったといいます。その過程では、地域住民をバスで先進事例施設に連れて行き、実際に見学してもらう取り組みも行われたそうです。

「地域開放空間の整備がNIMBY問題の解消につながるか」という問いに対しては、率直かつ現実的な見解をいただきました。「地域開放空間の整備が議題に上がる段階は、もう基本的に話が前向きに進んでいる段階」であり、根本的な反対段階では地域開放空間の有無はほぼ関係ないとのことでした。地域に貢献する機能を持たせることは合意形成を進める上での「材料」にはなり得るが、単体でNIMBYを解消するものではない。この言葉は、天竜エコテラスのヒアリングで得た知見とも共鳴するものであり、修士論文の論点を深める重要な示唆となりました。

また、将来の広域化・大規模化に伴うNIMBY問題については「強まると感じている」との認識が示されており、「よそのごみが入ってくる・なぜここなのか、という住民の問いは必ず出てくる」との意見がありました。

ヒアリングの様子

模型を用いて、工場概要を説明受けている様子

 

循環啓発棟「ふじさんエコトピア」

工場棟と隣接する循環啓発棟「ふじさんエコトピア」も見学しました。「環境に関心を持ち、実践する市民の育成」を掲げるこの施設、実際に訪れてみるとその充実ぶりに驚かされます。

展示コーナーではごみの分別方法や3Rに関する展示が分かりやすく紹介されており、リサイクル本が読めるブックコーナーや市民のエコな工夫を集めた「エコツリー」も設置されています。修理再生室では、家庭で不要になった家具を修理・再生して展示・販売するコーナーがあり、捨てられるはずだったタンスや棚が丁寧に蘇って並ぶ光景は、清掃工場のイメージを大きく塗り替えるものでした。食材再生室では食品ロスをテーマにした調理実習なども開催されており、展示・体験・実践が一体となった環境学習の場として機能しています。屋外には森林環境創造ゾーンや子ども向け遊具公園も整備されており、家族連れでも一日中楽しめる構成です。

啓発棟の説明を受けている様子

不要になった家具を修理・再生して販売をしている コーナー

 

富嶽白鶏のチキン南蛮定食と温浴施設

見学・ヒアリングの後は、施設内の食事処で富嶽白鶏(ふがくはっけい)のチキン南蛮定食をいただきました。地元食材を使った一品で、フィールドワークの疲れが吹き飛ぶおいしさでした。さらに、余熱を活用した温浴施設「ふじかぐやの湯」も人気とのことで、脇坂先生と一緒に入浴。施設も充実しており、長旅の疲れをしっかりと癒すことができました。ごみを燃やした熱が温泉になる清掃工場の「余熱利用」を身をもって体験した一日となりました。

富嶽白鶏(ふがくはっけい)のチキン南蛮定食

ヒアリング・施設見学を担当してくださった、岡良恭様、西村幸孝様、稲川雅文様、久保田英聖様、大変お世話になりました。貴重なお話をありがとうございました。

集合写真