2026.06.10

修士論文中間発表会

こんにちは、脇坂研究室M2梅田怜緒です。

先日、修士論文の中間発表を行われました。

私の研究では、広島県が市町を支援して実施している広島型建築プロポーザルに着目しています。研究室ではこれまで、制度や設計者選定の仕組みについて調査が行われてきました。私の研究ではその先の段階として、広島型建築プロポーザルによって整備された公共施設を対象に、管理者や利用者の視点から支援システムの現状と課題を明らかにすることを目指しています。

今回の発表では、研究背景や調査計画について報告しましたが、多くの指摘をいただきました。

特に大きかったのは、「設計者選定過程と施設の運営・利用との関係をどのように説明するのか」という点です。

私は当初、広島型建築プロポーザルによって選定された設計者がどのような建物をつくり、その建物が実際にどのように利用されているのかを調査することで、支援システムの有用性を明らかにしたいと考えていました。

しかし、設計者選定の仕組みと利用実態は必ずしも直接結び付くものではありません。例えば、利用者から高く評価されている施設があったとしても、それが広島型建築プロポーザルによる成果なのか、それとも運営者の工夫や立地条件によるものなのかを区別することは容易ではありません。

つまり、現時点では「広島型建築プロポーザルだからこのような運営や利用が実現した」と説明するための仮説を十分に構築できていないという課題があります。

また逆に、「もし一般的な入札方式で設計者を選定していたら同じ結果になったのか」という視点も必要であり、制度と結果を結び付ける論理を整理する必要があることを改めて認識しました。

さらに、研究対象や調査項目が広がりすぎているという指摘も受けました。当初は県営繕課へのヒアリング、市町担当者へのヒアリング、要綱分析、技術提案書分析、現地調査、管理者ヒアリング、利用者アンケートなどを予定していましたが、修士論文として実施可能な範囲を考えると整理が必要であると感じました。

今後はまず、県支援による市町事業の中から対象事例を絞り込み、要綱や公開資料を分析することで、プロポーザルの段階で何が求められていたのかを整理したいと考えています。その後、施設の利用実態や運営状況を調査し、「設計者選定過程で重視された内容が、施設の運営や利用にどのようにつながっているのか」という仮説を構築していく予定です。

現地調査やヒアリングは、その仮説を検証するための調査として位置付けたいと考えています。

今回の中間発表を通して、研究を進める上で最も重要なのは調査を増やすことではなく、設計者選定過程と施設の運営・利用を結び付ける論理を明確にすることだと感じました。今後は研究の焦点を整理しながら、修士論文と修士設計の両立を意識して研究を進めていきたいと思います。