2024.02.03

まほろのオフグリッドハウス@東京都町田市、ヒアリング

02FEB2024 横浜の建設会社、栄港建設の役員でもある岡野さんご夫妻が暮らす「まほろのオフグリッドハウス」にヒアリングに伺ってきました。

設計はエイバンバの故・番場俊宏氏。昨年8月、私と4年生の戸塚君とでzoomヒアリングを行い、いずれ実際の空間も見させていただくことをお願いし、その後日程調整していたところ、今年1月に入って訃報が飛び込んできて大変に驚いていたところです。今回、岡野さんご夫妻のご厚意もあって訪問が実現しました。

番場さんはシーラカンスアンドアソシエイツと小泉アトリエで修行された後、2010年に独立されたまだまだ若い建築家でした。

トンペイ建築で私の同期だった中村拓とはシーラカンス時代、同じ屋根の元、研鑽を積んだとのことを知り、中村とも番場さんと今度、横浜で一献行こうと話していた矢先の出来事でした。

この日は、4年生で卒論テーマとして研究を進めている戸塚君、3年生の伊藤君、梅田君、M1の築地君と訪問させていただきました。

金属板横葺きの外壁に多角形に切り取られた屋根が載った外観ですが、アプローチ側が斜めに切り取られ、駐車スペースとなっており、東京都心の限られた敷地における配置計画がなされていました。

実は、まほろのオフグリッドの隣にご自邸があり、「まほろ」の方はグラフィックデザイナーのご主人の仕事場兼生活の延長として使われていました。そのため、中庭を介して2つの建物が向かい合う関係となり、まほろの1階、北側は中庭に大きく開く掃き出し窓がついています。

1階では壁天井がRC打放しで、南側にも北側と同サイズのフルハイトの開口が設けられた、南北に抜け感のある仕事場となっています。側面にペレットストーブが置かれ、一段上げた床との段差から暖気がでる計画とのことでしたが、このチャンバー計画は上手くいかず、結局、ストーブ下部の吹き出し口から暖気を得ているとのことでした。1日にペレット袋10Kgを使用するとのことで、燃費も課題と思われます。

1階北側壁天井取り合い部分はスノコになっており、2階への暖気の上昇を狙った仕上げとなっていましたが、この暖気の上昇はなかなか上手くいかなかったようで、据付後にスノコの開口を斜めに削るなどして改善を図ったとのことでした。