24.06.16-18 カンボジアワークショップレポート Vol.2
6月16日(日曜日)
作業内容
・捨てコンの上に砂利・砂を薄く敷く
・プレキャストの土台を整列
→先に四辺の基礎の平面・垂直・高さを測定し固定
1、平面はメジャーで三角形を作り、90°を作ってそれぞれ位置を固定
2、水平器で垂直を測定、採石を入れて調整
3、高さは水盛り管を使用し、位置を決定
・柱・梁に使用する木材のカット・切り込み
・土台整列後、セメント投入
6月17日(月曜日)
・朝から村人が土台部分を整地
・柱・梁となる木材のカット・切り込み
・木材が完成次第それぞれ柱、梁接合
・南側から柱梁立ち上げ
作業後
6月18日(火曜日)
・桁をかけるための足場を組む
・桁をかける
・床梁挿入
・学生は屋根架構の木材のカット・切り込み
・カット後、屋根架構材(棟木)を挿入
◯3日間のコメント
この期間で校舎の基礎と骨格となる構造体の作業がほとんど完了した。
まず4日目は土台の配置を行った。土台は両隅20m以上の間隔が空いていて、それを正確に配置するのは苦労した。平面的な位置、ベースの垂直、土台同士の高さの3点を正確に手作業で調整しなければならなかった。また、最初に土台の配置を測定した際に捨て杭を打たなかったため、土台を配置した後に正確なポイントが分からなくなり、再度測定することになった。このため時間がかかったが、なんとかその日の間に土台の配置を終えることができた。
5日目・6日目には、外骨格となる柱や梁といった構造部材を配置した。前日から土台作業以外のメンバーが、柱となる部材に梁が嵌まるように木材に切り込みを入れる作業をしていた。これは「のみ」や「よき」といった工具を使った作業で、普段製図ばかりしている我々にとっては大変貴重な経験だったと思う。
写真は、「のみ」を用いて、木材に切り込みを入れる稲葉 →→→
部材に切り込みを入れた後、柱と梁を接合した。総勢20人以上の力を合わせて、コンクリートベースの上に柱と梁を配置していった。土台と柱梁の接合は、柱下部の穴に土台に刺さったボルトを差し込んで固定したが、20人以上で持ち上げなければならないほど重い柱梁の穴に、ボルトを差し込む作業は、力と繊細さの両方が必要で、全員が神経を削った。
次の日からは、桁や床梁、棟木や垂木といった部材を挿入していった。ほとんどは現地の村人たちが梁の上に登って接合してくださった。安全の面では日本ではなかなか見られない光景で、野性的な工事現場だったが、見ている分にはワクワクした。我々は最低限ヘルメットを渡したが、最後の方にはほとんどの村人が装着していなかった。
つい3日前までは更地だったのに建物の外骨格ができたことで、作業は大変だったが、何とも言えない達成感を覚えた。また、校舎の広さや高さといったスケール感も分かるようになり、完成形が徐々に見えてきたことで、これからの作業へのやる気が上がったと思う。
M1 中川
↓ 作業後に床梁に腰掛けるWSメンバー ↓