2024.3.4 岡山遠征(卒業設計合同講評会)2日目 岡山市周辺の建築見学

岡山遠征2日目は、岡山市内の建築を見て回りました。その様子を白瀧が振り返ります。
1件目ノートル・ダム清心女子大学 設計:アントニン・レーモンド、村上徹
最初は、ノートル・ダム清心女子大学です。この大学は、建築に力を入れているらしく、その校舎は、アントニン・レーモンド、村上徹など有名建築家が手掛けています。
特にレーモンド設計のノートルダムホール本館、東館は、テラゾー(人造石)仕上の床、ペイントクロスの壁・天井など細部にまでこだわりぬかれた素晴らしい建築であるのと同時に約100年前の建物とは思えないほど状態がよく。使い手の建築に対する敬意が感じられました。
2~4件目 Junko Fukutake Terrace、Junko Fukutake Hall パーゴラ 設計:妹島和世
次に向かったのは、妹島和世設計のJunko Fukutake Terrace、Junko Fukutake Hall 岡山(大学J-Hall) パーゴラです。
これらは、極限までデテールをそぎ落とした物質感のない非常に抽象的な表現の建築でした。
妹島さんの作品は、「模型がそのまま立ち上がったような建築」といわれますが、実際に見学すると本当にそんな感じで、非常に美しい空間でした。しかし、同時にあまりにデテールをそぎ落としすぎて、逆にデテールが気になってしまう点。電源設備・熱源設備といった建築に必然的に発生するデテールを別棟に隠している点、屋根が薄すぎて柱との取り合いの溶接に非常に高度な技術が求められる点など、実際に行くと何か現実世界に空想建築を作るうえでの超えられない壁。建築の抽象性の限界のようなものを感じました。
Junko Fukutake Terrace。 建築というよりパビリオンという印象を受けた。
屋根鉄板と柱。柱と土間の取り合いは、ルーズでなく接手だった。水平力をどのように逃がしている?
雑誌で見たとき、木造だと思っていたが、S造だった。躯体が軽いから耐震壁不要という事か?
Junko Fukutake Hall (岡山大学J-Hall) 休館日だったのでどんな使われ方をしているのか見られなかったのは残念。
3件目:後楽園
3件目は、後楽園に行きました。後楽園は、日本3大庭園ということもあり、ランドスケープとしての作りこみがすごかったです
また、江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政のための、いわゆる道楽のために造園された庭園であることも関係しているのか園内の建築も中央に水が流れる「流店」や切妻と寄棟が合体したような屋根を持つ建物など、珍しい形式のものが多かったです。
切妻と寄棟が混在したデザイン
4件目 天神山文化プラザ 設計:前川国男
ピロティは明るい黄色で塗装されており、天井が低いながらも明るく開放的に仕上げられていました。またロビーは、東京文化会館同様の天井仕上、ライティングとなっていました。
東京文化会館のようなデザイン
5件目 岡山県庁 設計:前川国男
岡山県庁舎
コルビュジェの影響がみられるペントハウス
正面中央にピロティ、屋上庭園など前川の師であるル・コルビュジェの影響を強く感じさせる建物でした。特に屋上にそびえるペントハウスの造形は、コルビュジェそのものでした。
今回の遠征では、他大学の同期たち卒業設計というまだ見ぬ新たな空間を想像の中で共有できたのと同時に、実空間としての先人たちの建築理念を体験でき、充実した2日間となりました。
B4白瀧