2024.10.20 清水駅西口エリアマネジメントWS
10月20日、清水銀座通りで開催されたワークショップに、研究室からM1の中川とB3の鈴木大晴が参加しました。
このワークショップは、昨年から続く清水駅周辺の活性化プロジェクトの一環で、地域の課題とその改善策を探ることを目的としています。今回は街中の照明をテーマとし、照明デザイナーの角舘さんをお招きし、照明による街の変化やその可能性についてレクチャーをいただき、実地での街歩きを行いました。
角舘さんからのレクチャーでは、照明のもたらす効果や役割について、具体的な実例やご自身の取り組みを交えたお話がありました。特に印象的だったのは、光が持つ「人の安心感を引き出す力」についてです。以下にまとめ
– 光がある場所に温かみや人がそこにいるような安心感を生む。
– 暗い場所は不安感を生むが、対照的となるコンビニや交番のような場所は、夜間の「安全基地」や「避難所」となるポテンシャルがある。
– 住宅に明かりが灯ることで、そこに暮らす人々の「物語」を感じる。
また、街路における照明は単に配置すれば良いのではなく、歩行者の安全を確保する照明や、裏通りへの誘導を意図した照明など、用途や場所ごとに異なる照明が必要だと学びました。均一に照明が配置されている場所よりも、あえて暗い部分を残してグラデーションを作り、街路に視覚的なアクセントを持たせることで、興味を引きやすくなるという考えも非常に新鮮でした。
講義の後、地元の小学生から大人まで約20名の参加者と共に、清水の銀座通り商店街をグループに分かれて歩き、現地で「明るい」「暗い」「不安を感じる」「照明が多すぎる」といったポイントを街を歩きながら挙げていきました。グループ内で気づきとして挙げられた内容は以下の通りです。
– 銀座通り商店街の照明は均一すぎて視覚的な変化がなく、逆に街並みの面白みを失っている。
– 銀座通りからグルメ通りへの抜け道は程良い明るさだったが、グルメ通り自体は全体的に照度が低く、少し不安を感じる場所が散見された。
– 照明の種類が多岐にわたっており、また避難誘導としての機能が整理されておらず、計画の改善が必要だと感じられた。
銀座通り商店街
銀座通り商店街→グルメ通り
グルメ通り
これを踏まえ、改善案として次のアイデアが提案されました
– 銀座通り商店街の照明を一度全て落とし、所々照明をつけていくことで本当に必要な照明を模索する。
– 照明の種類を統一すること
– シャッターが降りている店舗には、1階の正面部分に限定して照明をつけ、商店街独自の照明デザインとする。
ワークショップはこのように具体的な改善案を提案しつつ、各グループで代表が発表し合い、清水の街の将来を参加者で思案し、1月の次回開催で、実際に家具サイズの照明装置を製作して街に設置するという計画で終了しました。
今回の角舘さんの講義では、照明の効果を数値ではなく、WS会場や商店街の照明を操作し、その変化を見せることで、人間の本能に訴える視点が強調されており、非常に理解しやすい内容でした。また、現存の商店街に少しの工夫で印象が大きく変わることを実感し、街の活性化は必ずしも多額の資金を要するわけではないという点に新たな視点を得ました。
↓ 現在の商店街の様子↓
↓ 照明を少し落とした商店街の様子 ↓
また、今回は照明だけに焦点を当てて、街歩きをしました。しかし、そこには人間の活動や休息となるような装置があるはずなのに、単純に照明だけを見るのは不足しているのでは?という指摘も参加者の中でありました。これは小学生も参加しているという背景から、単に街の中で明るい暗いに着目したと主催側の立場にも納得のいく方針ではありましたが、その中でも街づくりに対して積極的な方が見られたことで新たな発見になったと同時に、WSの進め方という点においても大変勉強となる機会となりました。
M1 中川