2022.06.27 掛川伝統工芸 “葛布” の工房を見学 #J-BASE
掛川1000年の歴史をもつといわれる伝統工芸”葛布”。お話をお聞きするため小崎葛布工芸を訪れました。
訪れたといっても、小崎葛布工芸はJ-BASEのまさにお隣。普段からオモテに出るとバッタリあって貴重なお話をしてくださる。今回は、葛布の工房を見学させていただいた。
1階は、葛布を用いたショップ。美しい光沢のある繊維”葛”で織られている。驚くことに葛の収穫からモノになるまですべて手作業で行われているという。昔とまったく同じ作り方をしているのだ。山へ入り収穫した葛から取れる繊維はたった1%ほど。発酵させ、川で丁寧に表皮をはぎ、採れた繊維を一本一本紡いでいくそう。途方もない作業である。丁寧に紡がれた繊維を織っていきこの美しい光沢ができている。ついつい見惚れてしまう。
2階は工房。ガシャン、カラカラ、機織りの音が鳴り響く。縦糸の綿や絹に、横糸の葛を織り上げていく。繊維を見て、これは暖簾に、これは簾に、と。職人の技はなかなか一朝一夕で身につけられない。今葛布も後継者不足に悩まれているそう。掛川の発展を支えた葛布は、今や小崎葛布工芸を含めわずか2社。
掛川の生命線でもある葛。我々はどう向き合うべきか。
建築学生の皆さん、小崎葛布工芸は建物も面白いですよ。葛が練り込まれた葛壁は非常に珍しいそう。天井も葛布でできており、織り方もさまざま。暖簾、襖、座布団、…。葛の表現は多種多様。ちなみに玄関先のタイルには森町の瓦が用いれられている。小崎葛布工芸にもぜひ足を運んでみてほしい。
最後に、快く見学、取材を受けてくださった小崎葛布工芸のみなさまありがとうございました。お隣様としても今後ともよろしくお願いします。
田井研究室 M2 金子大海