2023.11.29

第二回けんちく夜会の前に

本編はこちら

第2回建築夜会伊藤孝仁さんレクチャー

 

夜会の前に、伊藤孝仁さん、川島真由美さんと掛川の建築を見て回る機会にご一緒させていただきました。

田井さんのJeepでお出かけです。

その日の朝はかなりの大雨で、私たちはお昼に合流しましたが曇り模様で気温も低く、なんだかなぁという天気。大まかな流れは以下、

掛川駅

ねむの木こども美術館 緑の中

ねむの木こども美術館どんぐり

吉行淳之介文学館

静岡理工科大学 学生ホール

建築学科棟

土木学科棟

掛川市庁舎

掛川商店街

 

掛川市は静岡県西部の中では魅力的な建築が多いのでは。最も行きたかった「資生堂アートハウス」は休館、、開いてる日全然ないんですよね。悔しい。

 

まず向かったのは「ねむの木村」ねむの木学園を中心とした掛川の山奥にある集落です。恥ずかしながら静岡にいながら、掛川に1年半住んでいながら行ったことがありませんでした。

Jeepが大活躍するような山へ入り込んでいきます。

せま〜い山道を抜けて見えてくるのは、山のひらけた場所に色のついたボリュームと白い屋根が浮いているモダンな建築。「ねむの木こども美術館 緑の中」設計は坂茂。 *内観は写真撮影禁止でしたので空間についてのお話はぜひ口頭で。

外観からわかるように極めて透明性の高い建築で、外観からこれほど作品に向けて開け放たれた美術館を見たことがありませんでした。それを実現させているのは壁、柱が中に極めて少ないこと。内部はかなり飛ばしてる印象でしたが、梁は格子が組まれており、鉄板かなと思いきや六角形が透けて見え、ハニカムボード?で構成されていました。さすが紙の建築家。物理的にも軽やかに構成されています。

固定の室を取らなければならない空間にはビビットな配色がなされ、極めて室の抽象化を行われたのでしょうか。室というより積み木や形遊びをする物体としての印象が強かったです。この赤い室、めっちゃいいですよ笑

 

少し下山して向かうのは「ねむの木こども美術館 どんぐり」設計は藤森照信

どんぐりに向かうあたりで分厚い雲から晴れ間が差し込まれてきました。山道の木漏れ日がジブリのワンシーンのようでウキウキしてましたね、、

 

到着するなり感じる照信節。なんでこんなにかわいく、かっこよくできるんじゃ。

夏休みからあまり建築を見に出かけてなかったのですが、この建築で久しぶりに空間でドキドキしました。体感してくれとしか言えないので行ってください。

アプローチと風景 空間の抽象度 それに伴う素材選択  見に行きましょう。本当に。天竜の「秋野不矩美術館」とともに考察するのが楽しいと思われます。

 

このまま全部書いていると長くなるので割愛

 

大学へ向かいまして学生ホール、建築学科棟、土木学科棟を散策。

改めて、のどかだなぁと山を見て感じます、、縁側的なすぐに外に出れる環境はやはりよいものです。

それぞれの棟に応じて印象の異なる弊学ですが、キャラクターができてきて良いのかもしれません。空間や使われ方の良し悪しはありますが。普段過ごしていると行かないような場所でもあるのでちょっとしたお散歩気分で良い気持ちです。

土木棟のベランダは学内で最も高い位置にあるので見晴らしがいいですね。

 

日常的に過ごしているまちや、大学内の空間も少し視点を変えてみると発見や違った印象を受けます。これは第三者によって与えられる新しい視点ということも重要で、自身の凝り固まった視点から打開する可能性を持っています。クリエイティブなものでも、日常生活においても近視眼になって周りが見えなくなっては本末転倒。自分が今何をしているのか、一度落ち着いて考える必要がありますね。やはり他人と話すここと、他を知ることは重要。コミュニケーションはたくさんとりましょう。

私たちが研究室として行なっている掛川一連のまちづくりにおいても同じことで、視点を一個にしないべきだと考えています。中に入り込むときと俯瞰するとき、手仕事的であるときと論理的であるときなど、Micro – Macro の往来で行きましょう。(時には愚直に没頭も大事)

 

 

修士設計追い込まれモードですが、良いお出かけになりました。田井さん、伊藤さん、川島さんありがとうございました。

 

M2  有田