2023.10.09

2023.10.02 設計スタジオ「集合住宅」開始 

後期に入り、後期の設計スタジオが始まりました。課題は、30年後に更新時期を迎える集合住宅の建替えです。今回は担当の先生の急な思いつきにより、研究室対抗戦となりました。これからの集合住宅の住みかたについてチームで日々議論しています。近年では核家族が増加し、高齢化や少子化、晩婚化によって、新たな家族の形を見出す転換期に来ているのだと感じさせられます。また、既存の集合住宅の形態では、ご近所との関係性や地域との関係性を断つことによって、家族のプライバシーを守ろうとしています。かつて、日本人が町長屋に住んでいた時代、家の扉を開けると、そこは居間であり、隣との壁も薄く、プライバシーなどありませんでした。しかし、一方でプライバシーの緩さゆえに、仕事で子供の面倒が見れない時に、隣の家の人が子供の面倒を代わりに見たり、一人になってしまった高齢者にも気遣い、今でいう福祉のようなものが成り立っていたそうです。現代の日本人は、自らの家を壁で覆い、他者との関係を断つことがあたりまえとなっている。しかし、それによって生じた問題があることもまた事実である。建築について考えることは、普段当たり前だと思っていることを疑うことであるようになることから始まる、とこれを書きながら思いました。

田井研究室所属 M1 滝内