2023.09.15 京都ゼミ旅行5日目 禅林寺永観堂・臥龍廊
禅林寺永観堂・臥龍廊
禅林寺永観堂は、京都市左京区にある浄土宗西山禅林寺派の総本山の寺院。永観堂は、853年に真紹によって創建。当初は密教道場であったが、平安時代に永観が浄土念仏を唱えて念仏の道場となり、永観堂の名がついた。
建築と自然の間を取り持つ縁側
主な特徴は、境内の地形の高低差を生かして多くの建物が建ち、それらの間は縁側や渡り廊下によって連続的な空間として扱われていることである。一般的な寺院は、境内の中に堂宇が散らばるように配置されていたり、清水寺のように地形に対して抗うように立てられることが多い。しかし、禅林寺は元々密教であったことが起因しているのか、高低差のある敷地の中で、堂宇を周りの自然を味わうかのように巡ることを意識した配置となっている。縁側を歩いていく中で、中庭の美しい木々、景色を映し出す池、建具に写り込む自然といったものに、軒下にいながらも360°自然に囲まれる体験をさせられる。空間を進んでいくことによって景色が移ろい、見る人を楽しませる。
地形と調和する回廊
境内の最奥部に龍の背のようなうねる屋根を持つ臥龍廊と呼ばれる回廊がある。日本建築ではとても珍しく、木材を曲げることで、山肌の形に合わせて地形に沿わせている。それによってできたうねる様な屋根は、日本ならではの緩い曲線美を感じさせる。
田井幹夫研究室M1 滝内