2023.09.15 京都ゼミ旅行5日目 ブルーボトルコーヒー京都
ブルーボトルコーヒー京都カフェは、南禅寺から西に10分ほど行ったところにあるカフェで、スキーマ建築計画の長坂常氏とブルーボトルコーヒー両者により、築100年を超える2層構造の伝統的な京町屋をリノベーションした建築である。手前にはコーヒ豆などの販売スペース、奥にはカフェスペースという構成になっていて、当日も多くの人が利用していた。
南禅寺参道に建つ典型的な京町屋の景観を守りつつ、ブルーボトルコーヒーというアメリカ西海岸の文化を融合させるとき、ここではフラットな関係が作られていて、日本建築の特徴でもある上がりを壊しフラットにし、景観上砂利を屋外だけにとどめず、屋外で使用されている砂利を取り込んだテラゾーを床に使用していた。その床はカウンターの中、つまり厨房までもフラットにし、彼らが一貫してこのブルーボトルコーヒーの店舗づくりにおいてこだわっている、接客される側と接客する側の目線の位置が一致するフラットな関係を実現している。
また重厚な柱や梁が整然と組まれた美しい骨組み、荒々しいながらも趣深く剥き出しになった土壁など既存の建物を生かした演出がところどころで見ることができ、京町屋の風情溢れる空間を残しつつも、そこに新たな価値を加えてブルーボトルコーヒー特有の様式美や空間美を表現されている。
当日は封鎖され登ることはできなかったが、2階はオフィス機能が入り、不要な壁を剥ぎ取りガラスで覆うことで、上下で互いに意識し合う関係が生まれている。その大きなガラス戸から自然光が差し込んだり、高い吹き抜けの天井にしていたり、広々とした空間を活かした照明など、開放感溢れる空間が作られていて、既存の柱や梁、土壁による重厚感とのバランスがうまく取られていた。
田井幹夫研究室所属 M1 高木淑彬