2022.12.15

2022.11.26 神戸へ「石井修展」へ

「建物に外観はいらない」 そう力強い言葉を説いたのは建築家 石井修である。

石井修は六甲山東端の甲山の南斜面に位置する目神山町に自邸を構え、関西の建築界を牽引してきた建築家。

自然の地形を最大限に生かし、樹木や周辺環境と共存した建築を多く手がけた。今回、石井修の生誕100年を記念し、代表的な作品の図面・写真・模型を展示する展覧会が兵庫県立美術館にて開催されました。

 

これが見たくて、神戸へ。 見たい展示があれば行くべきだと思ってます。

 

 

いろんな縁があって神戸はよく行きます。行く度に懐かしい道を通って、少し過去を振り返って、その時の空気感を思い出します。いろんな雑多性のようなものがあって本当に好きです、神戸。次は六甲山登りに行きたい。

アイキャッチの写真は北野付近です。六甲山の目の前で異人館が沢山あって、僕の中の神戸の印象はここに強く打たれています。この坂が本当にたまんない。通りに安藤建築が沢山あるのでちょっと回るだけでも楽しいですよ。坂ではしゃいでます。

 

さて、県立美術館ですが、設計は安藤忠雄建築研究所。地下階から中にはエントランスへ接続する螺旋階段が特徴的な建築です。何度か足を運んでますが行く度にこちらも、良い!!!とはしゃぎます。力強いコンクリートと立体構成、大空間と大開口なんかはまさに安藤建築ですね。行ったことのない静岡県民はさっさと行ってください。安藤さんの青りんご触ってはしゃげるので。

 

ちょっとわかりにくいアプローチを回って石井修展の会場を見つけました。

今回、この展示に行こうと思ったのも神戸大学の友人が運営に関わっているからです。その日は受付スタッフとしてもいてくれたのでありがたし、そのまま案内までしてもらうことに。

模型や図面など、かなりのボリュームで展示してあったので濃密でした。保管されていたものから、復元制作するものなど。さまざまな大学が連携して作られており、関西の大学たちの関係性、技量はさすがだと感心してました。

 

展示物はもちろんすごいのですけど、何より会場構成です。神戸大の光嶋研究室が主に構成、運営を行っていたそうです。

特徴的なのは展示壁

全壁が高さが異なり、違う箇所に開口が空いている。反対側を通る人がいたり、奥の展示がチラチラ見えたり、単純な壁よりも変化がついていたのが面白かったです。

また、真ん中の写真のプロジェクター台は展示壁の廃材から組み合わせてできたものらしく、工法としても合理的。合板のカラフルさが目を引いて注目していました。

 

一つ一つの部材はなにを使うのか、構造はどうするのか、どのように収めるのか、展示物の配置、寸法はいくつにするのかなど、ディティールまでみっちりと検討を重ねて制作した会場はものすごい勉強になっているのだろうと思います。

 

 

僕は卒業設計を通して建築と自然について考えてきました。改めて石井修氏の思想を見ていくとまだまだ浅はかだったなと、痛感します。もはや「自然」という言語を扱うのは烏滸がましいのかもしれません。

Geoffrey Bawaなどよく参照していたので近しい印象を受けましたが、また違った寄り添い方であるように感じます。ひさし、土間、障子などの日本要素と植栽、土の関係がちょうど良さそうというか、直結的すぎないような。

現代、今後の建築においてエコや緑化が着目される中で1940年代から建築と自然位ついて、ひたすら考えてきた石井修氏はかなり先を走っていたのだなと。

まるで日本におけるトロピカル・モダニズムのようなイメージ。(熱帯とは全然異なりますが、、)

 

とにかく刺激的でしたので、まだまだ氏について勉強したいと感じた展覧会でした。

ちらっと竹原さんと話せたのが非常に嬉しかった。

 これは案内してくれた友のやまー

 

M1   有田晃己